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2020/06/03 (水)

メロン味だけ見当たらない。

『華麗なる闘い』(1969年 原作『仮縫』有吉佐和子/監督:浅野正雄)を見た。以下ネタバレしてます。

「この映画はそんな1969年に、時代は変わったという思いを込めて作られたものである。
ファッション業界という、贅沢を競う業界を舞台に、
今こそ私たちの時代、とばかりに女性の実業家、デザイナーたちが颯爽と活躍する。
浅野正雄監督はそういう新しさをこの映画にこめて、
これを日本の新しい時代を開発する作品にしようとしたのだったと思う。
そういう思いがこの作品「華麗なる闘い」には満ち満ちている。」
とのこと。

主人公清家隆子(内藤洋子)が洋裁学院の中から1人だけいきなりスカウトされ、高級洋装店「パルファン」に入社。
その経営者は、パリ帰りの松平ユキ(岸恵子)。どんな実力があってか知らないがなぜか贔屓される隆子。

パルファンの重要なポストを任され、ちょっと成功してお調子にのり 勘違いをし、
パトロンも会社も手に出来た錯覚に落ち入り 独立を夢みたら、力の差を思い知らされてお払い箱になっちゃうの。

ユキのショーで使われた衣装は当時のクレージュの最新作。

「いや抜群ですな こんなショーは初めてですよ」 わたしも初めてみた。 衝撃的よ。 
ダンスに始まり へんてこポージング、外に飛び出し一貫性なく雪は降らせるし、なぜかハイウェイど真ん中、からの宇宙の場面展開。 
シュールでクレイジーでアバンギャルドでダサくて野暮ったいんだけど69年には随分先行ってたはず。

負けをあっさり認めて一言「大人ってすごいな」。
『私はやっと仮縫が終わったばかりだ。本縫して仕上げるまで私の人生にはなにが起こるだろう‥‥』と
字幕でケロッと再出発を誓って「完」  この子 強い。面白かった。

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