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Diary

2005/06/13 (月)

梅雨入りしたのが2日前。梅雨の中休みと云われたのが昨日。そして今日は夏日。

『マドゥモァゼルルウルウ
ジィップ/作:森茉莉/訳:与謝野晶子/序:堀内誠一/装丁:薔薇十字社1973年発行(絶版)
恐らく上流階級の“上”の位置くらいのお屋敷の娘ルウルウ(14歳と6ヶ月)は、お行儀のよいこととお勉強が大嫌い。
頭脳明晰でかしこく、先の先まで読んで話す(おまけに品がなく不躾で天邪鬼※これを無邪気というかどうかは?)
なので家族やまわりの皆をどぎまぎさせたり閉口させたり参らせたり。
読んでる途中で幾つだったかわからなくなるくらい生意気にモノをよく知っている(芸術、政治、恋愛等々)が、
多分に経験が伴っていないので頭デッカチ。それなのになぜか魅力的でチャーミング。
おくゆかしさや礼儀をわきまえた社交界の令嬢の中でそれはかなり異質だし、男性にはさぞ面白くうつるんじゃないかな。
しかし彼女は恋愛に興味がない。彼女を口説こうとする男性とのやりとり、
ルウルウ「男ってものはみなまちがっていて、悪(ワル)で、自惚屋で、嘘つきで、(熱心に)そして卑怯で‥‥
エゴイストで!‥‥(ひとりごとで)あら、この人に可哀そうね!」
ムシュ「(いい張る)ですがママゼル、男だってみんながみんな間違っていて、自惚屋で、嘘つきで、エゴイストで卑怯で、
馬鹿だなんてことは、そりゃあ決してありませんよ。善良な、真面目な、勇気のある、それは愛すべきところがあって、
誠実で、その上に優しいというような男もいますよ‥‥それは確かにいますよ‥‥私は現にそういう人を知っています」
ルウルウ「(ムシュをじっとみる)そりゃあ無論あたしだってそういう人知ってるわ‥‥
ただそんな人は(じっと考えつつ)あたし好きじゃないわ!‥‥」
ムシュ「‥‥‥‥」

こんな具合。
「ルウルウはほんとうにいる、わたしの大好きな少女です」と森茉莉。
そう、まるで実在する女の子のようにいきいきとしてて、誰かに似てる。

方々で乙女な本と紹介されている。薔薇十字社の本は装丁の美しさでも有名だし(絶版で入手困難なのが難!!)
頁1枚1枚に淡いピンクの木々のシルエットが施されていて眺めているだけでもうっとりな本。

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