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2005/06/09 (木)

『黒い十人の女』を観た。
『黒い十人の女』市川昆/監督 1961年
出演/岸恵子、山本富士子、岸田今日子、中村玉緒、宮城まりこ、船越英二等
私がこの映画で描きたかったのは現代生活である。
自己疎外の状態にある現代人(私も含む)の人間が、
人間でありたい、という、ノスタルジーの物語である
         ーーーby市川昆(公開当時プレスシートより)

TVプロデューサー風松吉は妻と他に9人の愛人がいる。愛人がいることは妻も承知。
ひょうひょうと女の間を渡り、煮え切らぬ男に女たちは共謀して男の殺害を企てる。
実のところ誰のことも本気ではなく、仕事が1番好きなんだろうこの男、反省も悪気もない、
わかっててやってるんじゃなく、ある意味病気?(笑)女たちが癪に触るのも無理はあるまい、
という役が船越英二にぴたりとハマってる。
“人間が人間でありたい”ところが描かれていると感じるかどうかはさて置き、
男と女の生物学的(?)思考の違いが滑稽。憎たらしく、可愛いらしくて情けない。
この映画を知ったのは小西氏プロデュースの「PORNO 3003 ep」から(順序が逆だけど)
小西氏が手を出すこと納得のモダンでスタイリッシュな映画。
アングルもディテールも女優陣のメイキャップも台詞の言い回しもオシャレ。
コムサde 美学。観終わってしばらく言い回しが山本富士子になるんざんすょ。

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