● 『2046』観てきたよ。
その不思議な未来2046ではミステリートレインが動き出しアンドロイドが恋に落ちる。 え、999?
なにげにネタバレしてるのでご注意を。
日本人男性(木村拓哉)との恋愛を父親に反対されてる娘(マギー・チャン)。
「俺と一緒にいかないか?」答えない娘。やがて男は日本へ帰る。残された娘は壊れたようにくり返す。
「行ク。行キマショウ。行コウカ。行キマス。行クトモ。連レテッテ。」
辿々(たどたど)しい日本語で、まるでアンドロイドのように。
落ちぶれた新聞記者(トニー・レオン)は酒と賭博と女に溺れて暮らす。
アパルトマン2047号室で身の回りにいるひとを登場人物に結末の悲しい官能小説を書いている。
過去に愛したひとの影を引きづり、誰にも本気になれないし、なるつもりもないらしい。
長く覚めることのない夢をみているかのようなけだるく美しい映像と音楽。
アパルトマン(ホテル?)の壁、廊下、曇り硝子、鏡にかかったレース、
鉄の飾り格子、きれいに上へ弧を描くアイラインと結いあげた髪、真っ赤な唇、
雨の中に混在するディテールひとつひとつがノスタルジック。
未来やSF色は薄い。捕われて抜けだせない不毛な恋の追憶は重い。
「俺と一緒に行かないか?」
ところであの効果的に使われていたべサメムーチョのような曲はなんて曲だろう?♪